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貿易業

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1. 貿易業の仕事の概要と英語

本ホームページの主旨のひとつは、「まさかこの職種で英語は使わないだろう」と思う職種を中心にまとめていくことである。したがって、だれもが外国語能力必須であると知っている貿易業について掲載するのは、いささか主旨に反するのかもしれない。

 

しかし、貿易業について、今日、いささか勘違いしている方が多くいるようなので、あえてここに掲載することとした。

 

外国語の能力を発揮できる職に就きたい、と考える人が挙げる職種の中に、貿易業務がある。しかし、貿易業務とはどんな業務なのだろうか。簡単に言えば、外国から商品を輸入する業務である。あるいは、外国へ商品を輸出する業務である。そこで、考えていただきたい。そうした業務を行う職種は、貿易業だけなのか、と。同時に、貿易業とはどういう職種をいうのかと。

 

かつての日本では、日本国内にたくさんの仕事があったため、国内向けの仕事をしていた。海外とのやり取りは、商社や貿易会社に委託していた。ところが、いま日本国内には仕事があまりない。そこで、否応なく、海外への進出を行っている。もちろん、たとえ国内に仕事があっても、日本に会社を置くとモノを作るお金や人に払う給料等が高いため、海外に行く、ということもある。いずれにせよ、商社や貿易会社に頼らず、自ら海外との商談や輸出入を行わなければならなくなっている。それが、グローバリズム社会の日本の仕事なのである。

 

であるとすれば、「貿易に関する仕事がしたいのだけれど、どのような会社があるのか」と尋ねる人には、「モノを扱うあらゆる職種の会社」と答えるのが今は正しい。実際、このサイトにあるモノ作り等の仕事を見ていただければ、それらの会社がそのまま貿易会社にもなっている、ということである。

 

私は、この前、こんな経験をした。ある中国人の方から、「日本語と中国語を両方使える職に就きたいです。貿易関連がいいです。どこか知っている会社はありますか」と言われたので、個々の会社を教える代わりに、このサイトに載っている職種の中で中国と仕事をよくしているアパレル関連等いくつかの職種を紹介した。なぜなら、日中の貿易関連と言えば、アパレル関連だって、雑貨関連だって、そうだからだ。したがって、個々の会社を教えるより、職種を教える方が選択肢が広がるからでもある。しかし、その方はこう言った。「わがままを言ってすみません、私は貿易関連がいいのですが…」。話がかみ合っていないことがおわかりだろうか。

 

そこで、私は、いまの日中貿易の実態について、上に書いたことを、もう少し詳しく述べた(もちろん、このサイトのいくつかの動画をご覧いただければわかって頂けるとおり、日中の貿易も、実際には英語を多用することも言い添えた)。そうしたら、ようやくわかってくれた。

 

日本人も、「英語と日本語を使う職に就きたいです。貿易関連がいいです、どこかいい会社はありますか」という人があれば、私はこう答える。「少なくとも、このサイトにある、モノに関わる職種の全ての会社です」。

 

もちろん、貿易会社というのはいまも存在する。その会社が何を輸出入しているのか、まず調べるとよい。その上で、貿易会社でなくても、同様のモノを輸出入する会社があれば、それは貿易関連業務なのであると考えてもらいたい。

 

ということで、少し視野を広くして考えていただければ、ありがたい。いまや、モノを扱うあらゆる職種が貿易業務なのだと考えていただきたい。その事実を知ることで、選択肢も広がると考える。

 

(本ページは科研費(課題番号21520608)の助成を受けたものである。)